仕事は、自分ができる方法でどんどん楽しいことに変化させてしまえばいい
2023新卒採用が始まっています!そこで、ミクシィで働くデザイナーのショートインタビューを公開します。
今日はTIPSTAR DOME CHIBAに携わったシニアデザイナーのお話です。
━━自己紹介をお願いします。
馬場と申します。ミクシィ入社前はIT企業でコーポレートブランディングやイベント、各事業に関わるものなど、ブランドに関係するクリエイティブ全般を担当していました。その前は外資系の広告代理店で働いていました。
印刷物みたいなオフラインと呼ばれるものからデジタルまで、よりよいアウトプットをしていくために必要であればプログラミングも学んだりしました。
目に見えてるものなんでもやるっていうのが目標というか。よりよくするために手段は選ばないっていう感じですかね。このスタイルはこれからもあんまり変わらないかなと思います。
━━今日はTIPSTER DOME CHIBAについてお話を聞かせてください。
「建築」と「内装」を見てきました。
「建築」は、それこそドーム自体を建設する所から入っていきまして、関係者とともに「ここに通路を作ったらどこに干渉するか」とか「こういう演出・動きをしたいのでこのくらいの広さが必要です」など、ありとあらゆる要望や予見を絡めとって、建築図面に落とし込んでいきました。
「内装」はデコレーションみたいな感じなんですけど、「こういう風に壁紙を貼ろう」とか「テーブルは金属で作ってみてはどうか」とか。あとは、ドーム内にショップも作ったんですけど、そのコンセプトから内装、電気図まで。目に見えてるところを全部作っていくっていう仕事ですね。
━━「建築」や「内装」の経験があったのですか。
前職のときにオフィス移転やグッズショップを担当したことがありましたし、ミクシィ入社後も渋谷スクランブルスクエアへのオフィス移転の内装を少しお手伝いしたり。
お店やオフィス作りであったり、あとイベントのような空間デザインだったり、「お客様が楽しめる空間を作る」っていうところをやってきました。
自分のベースにはグラフィックデザインがあるので、そことどう調和していくか、みたいな感じで取り組んでいます。
━━TIPSTAR DOME CHIBAには様々なエリアがありますね。
当初は、軽食を食べる場所や物販など、各エリアのデザインがバラバラで独立した感じが面白いかもっていう見立てでスタートしました。でも、手描きのパースが出来上がってきたときに、ちょっとチグハグした感じに見えてきて。
例えば、大型商業施設であれば様々なお店が入ってる感じが楽しいんですけど、今回はあくまでもPIST6っていうリーグを運営する1つの箱である必要があったので、やはりどこかでトンマナを合わせた方がいいんじゃないかなと。
使っている金属の素材を同じにしていくとか、色の数を抑えるとか、そういったところはまず合わせる。その上で、軽食を食べる場所や物販など、それぞれのコンセプトについて少しずつ差を付けていきました。
━━軽食を食べる場所、インパクトがあります。
『ORANGE & PIZZA』っていう空間ですね。内装にちょっと面白い素材を使っていて...。
木製のベンチとかが置いてあるんですけど、大きな丸い形の。それはバンクが木製バンクなんですけど、その余った素材……端材というんですかね、たくさんありまして、そういったものを再利用してベンチとかソファを作っています。
バンクと同じような素材っていうのをお客様も手で触るってことがあんまりないと思うので……。「座りながらバンクを感じる」みたいなことが裏のテーマだったりします。
━━VIP ROOMがありますよね。コンセプトを教えてください。
遊園地のアトラクションのイメージで、「タイムリープして未来や過去に行く!」みたいなことをVIP ROOM全体のコンセプトにしています。
メインエントランスはお客様の共通体験ですけど、VIP ROOMではアトラクション感とか非日常感を出していくことで、その空間に付加価値を与えらえるかなと。
━━具体的には?
VIP ROOMは3つの部屋……古い『1903』っていう部屋、現代の『2021』っていう部屋、『2041』っていう未来の部屋を用意しています。
『1903』っていうのは「ツール・ド・フランス」の第1回大会が開催された年で、当時の様子をコンセプトにしています。ゴシック調のイギリスやドイツの自転車が出てきたぐらいの時代ですね。実際は自転車はもっと早くからあったんですけれど、市民に普及しだした頃の世界をイメージして……。
━━ 『1903』って1903年ってことですね。
現代の『2021』っていう部屋は、カフェのようなテイストになっているんですけど、壁にアートを入れまして、「少しの勇気を出すと勇者が味方するよ」という意味合いの英文の壁画を描いたり。
TIPSTAR DOME CHIBAはベッティングをする場所なので、「あと少し勇気を出すと、アスリートも勇気をもらえばあと1歩踏み出せる」というメッセージですね。
『2041』っていう未来の部屋は、今年生まれた子ども達が、今から20年後ぐらいにはこのPIST6っていうリーグに……ライダーとして出てきてもらえたら嬉しいなと。それぐらい先の未来をイメージして、アトラクション感を強めたデザインにしました。
━━VIP ROOMから見えるドーム中央。人が入れますよね。
ドームの主役である木製のバンク。その中央はお客様が座れるようになっています。海外の競技場だと一般化しつつあるんですけど、日本国内だとまだ木製のバンクが2個目ぐらいなので。
ダンサーが踊ったり、火やレーザーの演出を取り入れたり、お客様が臨場感を感じる場所にしています。
━━ソファに座りながら、レースもエンタメも目の前で楽しむ。
ソファの色も、少し華やかなんだけど主張しすぎない感じに抑えていて。あくまでも主役はバンクの方であって、ダンサーや演出とのバランスというか、違和感ないけど少し華やかなデザインっていう所を心掛けました。
━━今日はありがとうございました。最後に、学生に向けてメッセージを。
自分の場合は、好きなことをやらせてもらえてたっていう恵まれた環境もあったかと思うんですけれど、とにかく目の前のことにのめり込んで、一生懸命やってきました。
好きなことであればどんどんのめり込んでくると思うので、嫌な点を見つけるとか、自分ができないことで困ってしまうとかではなく、自分ができる方法でどんどん楽しいことに変化させていけばいいのかなと思います。